思い出し日記3
2001年1月28日思い出し日記を書いていたことを思い出したので
久しぶりに書いてみることにした。
そう、父が大腸カメラの検査を受けた開業医の先生というのは
私も多少知っている先生だったので、本当は資料を受け取る
だけだったのだけれども、受付の方にお願いして
ちょっとだけ先生に会わせてもらうようにお願いした。
5分ほど待って、診察室に「どうぞ」と呼ばれた。
「おはようございます。だいや(仮名)の娘です」
先生はカルテに目を通しながら、顔も上げずに椅子に
座るように勧めました。
「この度は父がお世話になって」
そう言ったときにやっと先生は顔を上げ、私を見て
ちっちゃい目を大きくしました。
「あらー、あーたのおとうさんやったんね。
それは知らんかった」
「いや、こちらこそ、ご挨拶が遅れまして」
と、机で先生が見入っていたカルテにふと目をやる。
カメラのスケッチ、エコーの写真、病理結果・・・・
いろんなものが一気に目に飛び込んできて、一瞬頭の回路が
パンクするくらいに高速回転しました。
大腸カメラの結果には赤い隆起性病変があり、エコーでは
腹水がたまり、病理結果はGroup? adenocarcinomaという字が
見えました。
思わず「あ、」と声をあげてしまいました。
そのあと、先生が「もうわかるやろうけど」というふうに
ものすごく手短に病状説明をしてくれましたが
きっと私の顔は真っ赤だったと思います。
さっきの3つの検査結果で、父はもうすぐ
死ぬとわかってしまったからです。
つまり、大腸にガンがあり、それがおなかの中にひろがって
既に癌性腹膜炎の状態であると。
もう、手術が出来るような段階ではないと。
そのあとどうやって話を切り上げてきたかはよく
覚えていませんが、とにかく冷静に、取り乱すことなく
この病院を出ようと言うことだけを意識していました。
先生にお礼を言って、待合室に出ると、車で待っているはずの
母が、そこにいました。
「トイレに行きたくなったから、来た」
とまだのんびりしたふうに言います。
「で、どうやった?」
軽く聞く。軽く聞くな。
受付で、資料と紹介状をもらいながら
「おかあさん、あとでゆっくり話すけど、思ったより悪いよ」
母は「え」と言いましたが、突然ことだし、私もこの場で
それ以上の説明も出来ずに、足早にその病院を出ました。
車で待っている父のところに行くと
ほんの10分前よりもより心細げに、痩せて見えました。
「大きな病院でよく調べた方がいいってことだから、行こうか」
私がそれだけ言うと、父は素直にうんうんとうなずき、
私の車に先導されて、その病院を後にしました。
久しぶりに書いてみることにした。
そう、父が大腸カメラの検査を受けた開業医の先生というのは
私も多少知っている先生だったので、本当は資料を受け取る
だけだったのだけれども、受付の方にお願いして
ちょっとだけ先生に会わせてもらうようにお願いした。
5分ほど待って、診察室に「どうぞ」と呼ばれた。
「おはようございます。だいや(仮名)の娘です」
先生はカルテに目を通しながら、顔も上げずに椅子に
座るように勧めました。
「この度は父がお世話になって」
そう言ったときにやっと先生は顔を上げ、私を見て
ちっちゃい目を大きくしました。
「あらー、あーたのおとうさんやったんね。
それは知らんかった」
「いや、こちらこそ、ご挨拶が遅れまして」
と、机で先生が見入っていたカルテにふと目をやる。
カメラのスケッチ、エコーの写真、病理結果・・・・
いろんなものが一気に目に飛び込んできて、一瞬頭の回路が
パンクするくらいに高速回転しました。
大腸カメラの結果には赤い隆起性病変があり、エコーでは
腹水がたまり、病理結果はGroup? adenocarcinomaという字が
見えました。
思わず「あ、」と声をあげてしまいました。
そのあと、先生が「もうわかるやろうけど」というふうに
ものすごく手短に病状説明をしてくれましたが
きっと私の顔は真っ赤だったと思います。
さっきの3つの検査結果で、父はもうすぐ
死ぬとわかってしまったからです。
つまり、大腸にガンがあり、それがおなかの中にひろがって
既に癌性腹膜炎の状態であると。
もう、手術が出来るような段階ではないと。
そのあとどうやって話を切り上げてきたかはよく
覚えていませんが、とにかく冷静に、取り乱すことなく
この病院を出ようと言うことだけを意識していました。
先生にお礼を言って、待合室に出ると、車で待っているはずの
母が、そこにいました。
「トイレに行きたくなったから、来た」
とまだのんびりしたふうに言います。
「で、どうやった?」
軽く聞く。軽く聞くな。
受付で、資料と紹介状をもらいながら
「おかあさん、あとでゆっくり話すけど、思ったより悪いよ」
母は「え」と言いましたが、突然ことだし、私もこの場で
それ以上の説明も出来ずに、足早にその病院を出ました。
車で待っている父のところに行くと
ほんの10分前よりもより心細げに、痩せて見えました。
「大きな病院でよく調べた方がいいってことだから、行こうか」
私がそれだけ言うと、父は素直にうんうんとうなずき、
私の車に先導されて、その病院を後にしました。
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